家具、特に食器棚などの背の高い物は、地震の時に備えた耐震の為の対策が必要です。どのような点に気を付けたらいいのかを見ていきます。
食器棚の地震に備えた対策とは?
食器棚は背が高く、ガラスが使われている場合も多く、また物を入れているとかなりの重さになるので、地震の時に備えた耐震の対策を行っておくことは重要です。次のような点に気を付けましょう。
転倒防止の対策!
まずは、食器棚が倒れないようにする事が最も重要で、そのためのグッズもあります。
転倒防止金具
食器棚を購入したら付属されていたり、ホームセンターなどでも購入できる、L字金具などの食器棚本体、および壁にネジで取り付けるタイプのものです。ネジで取り付けるので、かなり丈夫だと思われますが、地震の規模によっては、それだけで十分とは言えません。
また、食器棚、壁ともに、表面は板なのですが、中が空洞の場所があります。そのような場所では、ネジがしっかり効かないので、注意が必要です。基本的に取り付けは自分で行ってください。
上下の固定金具
食器棚はたいてい、上台と下台に分かれています。意外と知られていないのが、設置の際に上下を固定していない事が多いという点です。
上下をネジでとめるタイプは、家具専門の運送業者さんが運んでくれれば、固定てしてくれると思いますが、もともとネジで固定するタイプではないものが、意外と多いのです。つまり、木のダボなどを打ち込み、ずれないようにするだけで、上に重ねてあるだけです。
それだと、地震の際に上台だけが倒れてくる可能性が高くなります。また普段の使用でも、開き扉だと、小さいお子さんが引っ張って、上台が倒れてくる場合もあります。それらを防ぐために上下を固定できるタイプでない場合は、ホームセンターなどである、コの字型の固定金具を取り付けましょう。
これは食器棚の後ろに取り付けるので、食器棚を置いた後では大変です。あらかじめ家具屋さんで食器棚を購入する時に、上下を固定できるタイプか聞いてみましょう。
固定できなければ、金具にはサイズがあるので、どの位のサイズだと取り付けられるかを聞いて、用意をしておきましょう。取り付けは、納品の時に配達の人に頼めばそのくらいはやってくれる場合もあります。
突っ張り棒
これもホームセンターなどで売られている、地震対策の定番です。基本的には天井と食器棚の天板を突っ張るのですが、金具よりは強度が弱いとされています。
取り付ける時には、次の点に注意しましょう。
- 土台がしっかりしているかどうか!
金具の時と同じで、突っ張り棒が接する場所が、しっかりしている必要があります。突っ張り棒をつっぱっていって、天井が支えてくれない(なかなか固くならない)場合は、場所が悪いか、その天井の造り自体が、突っ張り棒を使用するのに向いていない場合があります。きっちりと固定できなければ、耐震としての意味が無くなります。 - たくさん接地させる!
突っ張り棒を選ぶ時は、できるだけ天井に接地する面積の大きいものを選びましょう。その方が効果が大きくなります。さらに、突っ張り棒と天井や食器棚の間に板を挟むと、点ではなく大きな面で支えるので、より効果が高くなるといわれています。 - 取り付ける場所に注意!
突っ張り棒を取り付けるときに、より効果があるとされる場所があります。それは、外側と奥側です。外側は想像がつくと思いますが、手前か奥かでいうと、奥側になります。
上置き・フィラーを設置する
フィラーとは、収納ではなく、食器棚の上部から天井までを隠して、スッキリ見せるために置く箱のようなものですが、この上置きやフィラーには耐震機能がついた物もあります。これらを天井ギリギリの高さまで設置することで、耐震の対策となります。
耐震マット
耐震マットとは、シリコンなどで出来た厚さ数㎜のシートのようなもので、食器棚を設置する時に、底と床との間に張り付けて使用します。家具の重さなどでしっかりと張り付き、転倒を防止するというものですが、実際にはどうなのでしょう。
結論からいうと、それだけで大丈夫、という事はないと思います。(個人的な意見です)確かに密着力はたいしたもので、家具店にいたときに、張り付けた家具をはがすのに、とても苦労をした事があります。
ただし、地震の規模によっては、床材をはがして倒れてしまうこともあるのでは、と思います。実際に人間の力ではがせたので。
また、食器棚の底の部分は、平らになっているのではなく、床との接地面が少ないのも、その理由です。張らないよりは、ましだとは思いますが、それだけで十分とは考えない方が良いでしょう。
扉をどうするか!
食器棚の上台には(ものによっては下台にも)扉が付いていますが、種類として、
- 開き扉
- 引き戸
の2つがあります。開き扉とは、いわゆる観音開きのもので、引き戸とはレールなどに沿って、左右に開閉する扉です。
地震に強いのはどちらかというと、引き戸になります。開き扉はどうしても揺れによって扉が開きやすく、中の食器が外に飛び出しやすいためです。引き戸だと飛び出さない、という訳ではありませんが、比較すると引き戸の方が安全といえるでしょう。
また扉にはガラスが使用されている場合がほとんどだと思いますが(一部、板の扉のものもあります)、地震の際にはそれらが割れて怪我をする、という場合が非常に多くあります。
メーカーによっては、ガラスに飛散防止用のフィルムを貼っているものもあります。そうでない場合は、後からでも自分で貼れる物が売っているので、ぜひ対策を行っておきましょう。
食器棚を傾ける
これも食器棚が倒れないようにする為の対策ですが、グッズを使うのではなく、設置のときの注意点です。
まず、普通に家具屋さんで食器棚を購入して、運んでもらうと、プロの配送業者さんが設置してくれるので、まず問題ないと思うのですが、自分で置いた場合などに、食器の水平がとれていない場合があります。床に置いただけでは、まっすぐに立たない場合があります。
それは床が傾いているのが原因です。特に古い建物の場合、部屋の中央に向かってわずかですが床が沈んでいることがあります。そうすると、食器棚を壁に合わせて置いても、舌の方は壁とくっついているのですが、上の方にいくと、壁との間にすき間ができてしまいます。つまり、食器棚が前に傾いているのです。
そういった場合は、当然倒れやすくなるので、食器棚の前面の床との間に、薄い板やホームセンターなどで売っているそれ用のもので調節しましょう。そしてその時に、垂直よりもさらに少し奥に傾かせる事によって、耐震の対策となります。
パモウナの食器棚の耐震機能は?
パモウナの食器棚には色々と耐震を意識した機能があります。
転倒防止機能付きオーダー上置き
受注生産になりますが、高さをオーダーできる上置きがあって、さらに上置き上部には、固定させるための、アジャスターが付いています。
転倒防止機能付きフィラー
高さをオーダーできるフィラーがあり、こちらにも天井を突っ張る部品がついています。
飛散防止フィルム
食器棚が倒れたりしてガラスが割れたときに、飛び散るのを抑えるために、ガラスの部分にフィルムが貼られています。
耐震ロック
開き扉が揺れで開かないように、食器が揺れると扉にロックがかかる部品がついています。(全ての揺れに対応して、開かないようにすることは保証されていません)
オートクローズ引き戸・サイレントレール
引き戸や引き出しには、ほとんどのシリーズに、静かにゆっくり閉まるタイプのものが使用されています。それらは開ける時も、若干の力が必要となり、地震で揺れたときに、扉や引き出しが開くのを、少しでも抑えるのに役立ちます。
(それほど固く閉まっている訳ではないので、強い揺れでも開かない、という訳ではありません)
耐震という面でパモウナは、他のメーカーと比較すると、色々と考えられていると言えるでしょう。