家具屋さんに食器棚を探しにいくと目につくのが、パモウナと綾野の食器棚だと思います。パッと見ただけでは違いが分かりにくいので、主な違いをみていきます。
パモウナ・綾野どこが違う?
パモウナは岐阜県、綾野製作所は香川県に工場を持つ、どちらも日本製の食器棚を作っているメーカーです。一般には馴染みがないかもしれませんが、家具屋さんでおすすめの食器棚は?と聞くと必ず名前が上がってくるでしょう。
モイスを使っているか
この2つのメーカーの違いとして、まず挙げられるのが、モイスを使用しているかどうかです。
モイスとは、元は建築資材で湿気を吸収して湿度を調節する効果があるのですが、最近では多くの食器棚に使用されています。食器棚には家電を収納できるものがありますが、その家電を置くスペースの天井部分に張り付けて、家電から出る蒸気を吸収しよう、というものです。
モイスがあれば、そのままスチームオーブンなどを使っても大丈夫、といわれています。
綾野製作所はこのモイスをかなり早い段階から使用していたのですが、パモウナは採用していません。
理由としては、
- 表面がざらざらしていて掃除がしにくい
- 水を吸収する板を食器棚に張り付けておくと、痛めてしまう
- 汚れると性能が落ち交換が必要で、寿命が短い
ということのようです。
モイスに関しては、意見が分かれるところなので、色々な家具屋さんで店員さんに意見を聞いてみて下さい。
(個人的な意見としては、蒸気が出る家電は、スライドテーブルなどを引き出して使うのが1番良いと思います。じゃまですが)
造りがしっかりしているか
綾野とパモウナでは、どちらが丈夫か?という疑問があるとすれば、綾野と答える人が大半だと思います。
まず初めにパモウナの食器棚がしっかりしていない、といってるのではありません。綾野の食器棚が丈夫すぎるのです。
パモウナと綾野の食器棚の下台などを持ち比べると分かるのですが、圧倒的に綾野の方が重いです。つまり、同じサイズのものを作るのに、材料が多いのです。板の厚みも厚ければ、レールもより太いものを、など。
しっかりしている、という点では間違いなく綾野がトップクラスといえるのではないでしょうか。
仕上げがていねいか
場所にもよるのですが、細かい所まで仕上げがされているのも、どちらかといえば綾野の方でしょうか。
例えば引き出しの前の板の、普段は見えない下側までシートが貼られていたり、食器棚正面の一番下の部分に、掃除機が当たっても大丈夫なようにガードが付いていたりなどです。
もちろん、パモウナにあって綾野に無いもの、というのもあるのですが、全体の細かな仕上げに関しては綾野に分があるように感じます。
サイズ
パモウナでは、主に20㎝刻みでサイズがあるのに対し(一部例外あり)、綾野では10㎝刻みで選べます。キッチンのスペースは、できるだけ無駄なく利用したいと思うので、パモウナでは、ピッタリにいかない場合があるかもしれません。
デザイン
見た目の印象は人それぞれなので、一概に言えませんが、あえて言うとすれば、パモウナはシンプルでスッキリ、綾野は高級感+重厚感というところでしょう。
色やシリーズによって、ガラッと見た目は変わるので、パモウナでも濃い色のものだと高級感も出ますし、明るい色なら綾野の商品でも軽めの感じにはなります。ただ、個人的にオシャレな印象を受けるのは、パモウナのほうです。
価格
最後に値段ですが、これもシリーズや組み合わせによって変わってきますが、ほとんどの場合で綾野の方が価格は高くなります。
造りをしっかりさせていて、仕上げも細かい所までする、となれば当たり前の話なのですが。
食器棚の場合、洋服などのように、ブランド物になれば値段が高くなる、ということは少なく、価格が上がればそれに比例して、強度や仕上げなどが上がっていきます。
逆にパモウナの場合は、必要と考える場所には、品質にこだわり、それでいて要らないものは削り、価格を抑えるための努力をしている、という感じでしょうか。
当然、安かろう悪かろうということではなく、品質と価格のバランスを上手くとれていると思います。